アドバイスと事例

自動車保険 他車運転危険担保特約

自動車保険には「他車運転危険補償特約」が付帯されています。
他車運転危険担保特約とは、プライベートで臨時に他人(友人等)の車を借用して運転中に起こしてしまった事故について、ご自分が契約する「自動車保険」を請求することができる特約です。
この特約は、自動車保険に自動付帯になっていますが意外とご存じない方が多くおられると感じております。

・・事  例・・

契約者Aさん(自家用普通乗用車で契約)が、友人Bさんの車(自家用軽四輪貨物車)を一時的に私用で借りて運転中に、Aさんが対人・対物事故を起こしてしまい、被害者に損害賠償金を支払わなければ、ならなくなった場合などです。

この特約を適用できる車種は以下の8車種となります。

この特約が適用されるのは8車種 ・自家用普通乗用車 ・自家用小型乗用車 ・自家用軽四輪乗用車 ・自家用軽四輪貨物車 ・自家用小型貨物車 ・自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下)
・自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下) ・特種用途自動車(キャンピングカー)です。

一般の方が運転する車であれば、ほぼ上記の8車種に入っていますが、これ以外の車種を運転していて発生した事故については、この特約では適用されません。

※免責になる主なケースは、車の所有者の承諾を得ず無断で運転した場合や、会社など事業用の車を業務上で運転していた場合などは、この特約は適用されません。(詳細は各保険会社にご確認ください)

また、この特約では対人・対物の賠償以外の人身傷害や借用車両の修理費用についても支払われる場合がありますが、各保険会社により取扱いが異なりますので、ここでは説明を省略します。

詳細は代理店・保険会社に確認してください。

自動車保険 車両保険「車両無過失事故に関する特約」

保険会社によりますが「車両保険の特約」として「車両無過失事故に関する特約」があります。

この特約は、相手自動車との衝突または接触事故により車両保険の保険金を請求した場合でも、事故発生時に契約の自動車の運転者に過失がなかったなど、一定の条件を満たしているときは、次回の契約について等級などを決定するうえにおいて、その事故がなかったものとするものです。

この特約は、保険会社により販売の有無や任意付帯・自動付帯、適用する場合の条件などの違いが有りますので必ず代理店・保険会社に確認してください。

自動車保険と「酒気帯び運転・無免許運転」

対人賠償責任保険・対物賠償責任保険については、保険金が支払われることがあります。

自動車事故の被害者が補償を受けられないことになると、保険の持つ「被害者救済」の理念から離れてしまいます。

そこで、酒気帯び運転・無免許運転による事故であっても、自動車保険の「対人・対物賠償責任保険」 については、被害者に対して保険金が支払われることがあります。

被害者救済を意義とする自賠責保険 も同様に被害者に対して支払われることがあります。

※契約条件(年齢条件や各種条件)が適正に成立していることが必要です。

ひき逃げにあった場合の「豆知識」

歩行中や車・バイク・自転車で走行中に車やバイクと衝突をしてケガをし、相手がいなくなった(逃げられた)時には、慌てずにその場で速やかに「110」通報し「人身事故」の届出をすることです。

ひき逃げにあった場合、不明の加害者に変わり国が「政府保障事業制度」により、保険金を支払いしてくれる事業があります。

あくまでも、人身損害(治療費・慰謝料・休業補償・後遺症・死亡など)についての補償です。

ご自身や同居の家族に「自動車保険」契約がある場合には、人身傷害保険の特約などで補償を受ける事ができる事もありますので契約している代理店や保険会社に確認しましょう。

詳細は、国土交通省ホームページ 自動車総合安全情報をご覧ください。

ご不明な場合には当事務所宛メールでご相談ください。

個人賠償責任保険(特約)

日常生活の中で過失により他人(いわゆる第三者)に対して「ケガ」をさせたり「物」を壊してしまった場合に、法律上の損害賠償義務を負うことになった場合に補償するのがこの保険(特約)です。
おおよその保険料は年間2~3000円です。

具体的な事例

  • 自転車で走行中、出会い頭に歩行者に衝突し負傷させてしまった。
  • 洗濯機の排水ホースが外れて水漏れをして下の部屋に損害を与えてしまった。
  • 子供がキャッチボールをしていて他人の家の窓ガラスを割ってしまった。
  • 子供がバットを振り回していて誤って友達をケガさせてしまった。
  • 飼い犬が散歩中に通りがかった人に噛みついてケガをさせてしまった。
  • 買い物に行った時に誤って商品を落として壊してしまった。
  • 自転車で走行中、誤って駐車中の車に接触しボディにキズをつけてしまった。
  • パーティで飲食物をこぼして他人のドレスを汚してしまった。
    以上、様々な形態の事案があり賠償しなくてはならない可能性があります。

 このような場合に「個人賠償責任保険(特約)」がお役に立つ事とになります。個人賠償責任保険(単独)がありますが、自動車保険・火災保険・傷害保険などの特約とし契約することもできます。

注意点
  • 事故がおきた場合に保険会社の示談交渉付きかの確認
    ※示談交渉付きでないと、基本的に自身で交渉することになります
  • 補償の重複(同居するご家族が既に契約していないか)

弁護士費用特約

弁護士費用特約とは、交通事故の被害者(車に乗車中だけでなく歩行中なども含みます・同居の家族も対象)が、弁護士等に対しての相談費用や示談交渉、裁判(訴訟)などを依頼した場合に生じる費用を、お支払いする特約です。

「弁護士費用特約」は各保険会社により、自動車保険・火災保険・傷害保険などの特約として販売されています。

弁護士等の相談や依頼すると費用がかかりますが、この特約があれば年間2000円前後の保険料で、弁護士費用を最高300万円まで支払われる内容のものが一般的に販売されています。

なぜ弁護士に依頼するのが良いのか

事故に遭った場合は、ご自分で交渉するよりも「弁護士等」に依頼した方が、受け取る賠償金額(慰謝料など)が多くなる事があります。
「弁護士費用特約」は各保険会社により、自動車保険・火災保険・傷害保険などの特約として販売されています。
また、日常生活における事故に対応した商品も発売されています。
※自動車保険で「弁護士費用特約」を請求しても「ノーカウント事故」となります。

個人賠償保険アドバイス事例

奈良のHさん 個人賠償保険について(加害事故) 

(Q)
先日、自転車で走行中に歩行者に衝突してケガをさせてしまいました。
傷害保険に個人賠償保険セットになっていたので、保険会社に示談をお願いしましたが、示談交渉はできませんとの返事があり困っています。
また、被害者の方から毎日督促を受けてどのように対応すればよいのかもわかりません。
知人に聞いたところ保険会社が示談してくれるはずだと言ってますが、保険会社は応じてくれません。
アドバイス宜しくお願いします。

(A)
Hさん 個人賠償責任保険は多くの保険商品があり、傷害保険・火災保険・自動車保険など特約としても販売されています。
ご質問の、示談交渉につきましては、すべての個人賠償責任保険(特約)に付帯されているものではありません。
内容からすると交渉ないものに加入されていると思われます。
今回の件は、できる限り保険会社の担当の方や代理店さんと連携しながら解決にあたってください。
なお、あまりに被害者の方から督促が厳しいようでしたら、保険会社の担当の方に弁護士さんに依頼したいので、弁護士費用を出してもらうように交渉してください。
初めは承諾しないケースが有りますが粘り強く要請してください。
これが承諾されれば弁護士さんが交渉にあたってくれますのでその指示に従ってください。

村上からのコメント

自動車保険・火災保険・傷害保険等にはオプションとして「個人賠償責任保険」「日常生活賠償保険」などの名称で各社から販売されています。
注意点は「示談交渉付き」とされていることを確認してください
また、今回のケースのように弁護士に依頼する必要がある場合にも活用できる「弁護士費用特約」も併せて加入しておいてください。

自動車保険 車両保険アドバイス事例

Nさんからの

(Q)
サイトを拝見して自動車事故に強そうな保険屋さんのようなので、連絡させていただきました。
私の入っている代理店は親戚のおばさんがやっているので義理で入りましたが、事故処理のことは保険会社に丸投げであまり詳しくありません。
保険会社もこちらがいちいち調べて聞かないと教えてくれません。
私が今心配しているのは、残クレジットが80万円残っているのに廃車になったことで私がこれを返済したうえに新たに車を購入しなければいけないことです。
修理見積もりは200万円ですが加害者の保険会社は100万円しか補償(賠償)できないと言ってきています。
事故の状況は私が信号待ちをしているところに乗用車が後ろから追突してきました。
相手の保険会社は100%責任は認めているのに100万円しか支払わないと言っています。
根拠はレッドブックとかいう基準本らしいです。
自分の保険は保険料が上がるかも知れないので使いたくありません。
相手の保険会社とはどのように交渉すればいいでしょうか。
具体的に教えてください。
よろしくお願いします。

(A)アドバイス1

Nさん今回は追突被害事故に遭われて大変なことと思います。
追突事故で相手方保険会社も過失については100%を認められているようですから、基本的にこちらの過失はゼロなので100%賠償を受けることはできます。

相手方保険会社がのこちらの200万円の見積もり対して、認定額が100万円しかできないというの0は、レッドブックが基準と相手方が主張しているのは、現在のNさんのお車の査定価格が修理費用の200万円より低いのでそれを主張しています。
まずは査定価格について、同年式で同等の車種の中古車の販売金額を調べて、その資料を相手方保険会社に提示してみるのも良いと思います。
まず以下の情報をお寄せください。
現在契約している自動車保険の以下をお知らせください。

①車両保険の有無 ありの場合に「車両保険無過失事故に関する特約」は付けているか
②弁護士費用特約の有無

Nさんからの回答

①車両保険(160万)は契約していますが保険料が上がるので請求することは考えていないです。
車両保険無過失事故に関する特約は加入しています。
②弁護士費用特約はあります。

(A)村上からのアドバイス2

今回の事故状況からしますと相手方保険会社も100%過失を認めていますので、まずはご自分の車両保険160万を請求されることが良いと考えます。
お気にされている車両保険を請求した場合の翌年度保険料ですが「車両無過失事故に関する特約」に加入されていますで、保険料が上がることはないと考えます。
念のため、加入されている保険会社に事故報告をされ確認をしてください。
また、契約している保険会社により別途「臨時費用」が上乗せされて支払われる可能性もあります。

村上のコメント

なぜ、自分の車両保険を使うのか?
Nさんのお車の査定価格は約100万円とのことですので、裁判でも査定価格を超えての賠償請求について一般的に認められていません。
したがいまして200万円の修理代の請求は、裁判や調停などされても大変厳しい結果になると考えられますし時間も要する事になります。
これらを総合的に考えますと、契約されている車両保険請求され160万+臨時費用などを受領されて解決することがベターです。
その他の代車費用や諸費用などの交渉についは「弁護士費用特約」を活用するのが良いと考えます。

Nさんはせっかく十分な保険に加入されていたようですが、事故受付当初のアドバイスがなかったことにより、加害者側の保険会社と直接やりとりしたために、被害感情が大きくなりトラブルになったようです。
誰もが被害者・加害者になる危険性はありますので、十分な補償内容を確保することと、ご自身の「代理店さん」等に相談されることがリスク回避とスムーズな解決手段になると考えます。

大阪S社から労災上乗せ傷害保険について

 (Q)
当社は、労災上乗せ傷害保険に加入していますが、2年前に従業員が機械にはさまれて後遺障害で正常な歩行ができなくなってしまいました。
傷害保険金額 死亡・後遺症2000万 入院・通院に加入していますが、保険会社によると後遺障害保険金400万が支払われる旨の連絡がありました。
しかし、従業員から遺失利益や慰謝料などの総額2600万の請求をされております。
この保険加入時には上乗せの傷害保険があれば安心だと説明を受けましたが、まったく金額が不足しております。
保険会社と交渉すれば何とかなるものでしょうか。
ご教授お願いします。

(A)
村上からのアドバイス

S社様 まず、傷害保険についてですが、確かに福利厚生(見舞金)としての保険としては良いですが、今回のように賠償責任に対応するためには「傷害保険」でなく「使用者賠償責任保険」が良いと考えます。
傷害保険の後遺障害保険金は労災後遺症等級を参考に定額で支払われます。
今回のように民事上の賠償責任(慰謝料や遺失利益・裁判費用)を補償するものではありません。

ご質問の保険会社との交渉ですが、保険会社は労災保険の等級を確認し、後遺障害保険金額を決定しているので「交渉」というレベルではないと考えます。
(等級に不服があれば労災障害等級について不服申して等を行う事になります)

今回のように、従業員の方から民事上の賠償責任(遺失利益・慰謝料など)に対応するには「使用者賠償責任保険」の加入を検討してください。
その上で、余剰資金があれば福利厚生(見舞金)として「傷害保険」を上乗せされるのが良いと思います。

村上からのコメント

従業員(社員・パート・アルバイト)を雇用されている経営者様は個人・法人を問わず、どのような事業でも労災事故が発生する可能性があります。
政府労災保険(強制)は義務付されていますが、さらに上乗せ補償するための「使用者賠償責任保険」に加入することで経営上のリスク(危険)回避することができます。

お気軽にお問い合わせください。0120-56-1832受付時間 9:30-18:00 [ 土・日・祝日除く ]

お問い合わせ